腫瘍自然療法とは
腫瘍自然療法とは、腫瘍という病気そのものだけでなく、動物の体全体の状態や生活の質を重視する考え方に基づいたケアです。腫瘍の治療では、外科手術、抗がん剤、遺伝子治療などの西洋医学が重要な役割を果たします。一方で、年齢や体力的に積極的な治療が難しく、負担が心配になる場合、少しでも穏やかに過ごさせてあげたいといったお悩みを持つ飼主様も少なくありません。腫瘍自然療法では、疼痛管理・体調管理・免疫や代謝への配慮などを通じて、その子らしい時間を大切にすることを目的としたサポートを行います。
このような症状はありませんか
- 体にしこりやこぶがある
- 体の一部が腫れている
- 元気がない
- 急激な体重減少
- 嘔吐や下痢が続く
このような症状がみられたら、腫瘍の病気の可能性があります。
犬の主な腫瘍の病気
乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)
避妊手術を受けていない、または高齢で避妊手術を受けたメスに非常に多く見られる腫瘍です。 良性と悪性の比率は約半々と言われていますが、見た目だけで判断することはできません。初期は小さなしこりですが、放置すると急速に大きくなったり、肺などに転移したりする恐れがあります。早期発見・早期手術が完治への近道です。
肥満細胞腫(ひまんさいぼうしゅ)
わんちゃんの皮膚にできるがんの中で、最も発生頻度が高いものの一つです。 肥満という名前がついていますが、太っていることとは関係ありません。見た目が虫刺されやただの炎症に似ていたり、大きくなったり小さくなったりを繰り返すことがあるため、発見が遅れることがあります。 かゆみを伴う物質を出すため、わんちゃんが気にして舐めたり掻いたりするのが特徴です。
脾臓(ひぞう)の腫瘍
脾臓はお腹の中にある臓器で、ここにできる腫瘍は悪性(血管肉腫など)である確率が高い厄介な病気です。 沈黙の臓器とも呼ばれ、初期にはほとんど症状が出ません。しかし、腫瘍が大きくなって破裂すると、お腹の中で大出血を起こし、突然ショック状態に陥ることがあります。「昨日まで元気だったのに急に倒れた」というケースが多いため、定期的なエコー検査での早期発見が非常に重要です。
猫の主な腫瘍の病気
リンパ腫(血液のがん)
ねこちゃんに発生する腫瘍の中で、最も多いのがこのリンパ腫です。血液中の白血球の一部ががん化し、全身のあらゆる場所(胃腸、腎臓、胸の中、鼻の奥など)に発生します。 特に多いのが消化器型リンパ腫で、慢性的な嘔吐や下痢が見られます。「いつもの毛玉吐きかな?」「またお腹を壊したのかな?」と様子を見ているうちに進行してしまうことがあるため、注意が必要です。抗がん剤治療がよく効くケースも多いため、早期診断が重要です。
扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)
主に高齢のねこちゃんに見られる皮膚がんです。特に、色素の薄い耳の先や鼻筋、まぶたなどに発生しやすく、紫外線の影響が指摘されています。 初期段階ではひっかき傷やカサブタのように見えるため、単なる怪我と勘違いされやすいのが特徴です。しかし、一般的な塗り薬では治らず、徐々に皮膚がえぐれたり、出血したりするようになります。進行が早いため、治らない傷を見つけたら早急な受診が必要です。
乳腺腫瘍(にゅうせんしゅよう)
ねこちゃんの乳腺にできるしこりは、約80%〜90%が悪性であると言われています。 非常に悪性度が高く、発見した時にはすでにリンパ節や肺に転移していることも少なくありません。そのため、乳腺にしこりを見つけた場合、早急な対応が必要になる場合があります。避妊手術をしていないねこちゃんや、高齢で避妊手術をしたねこちゃんは特に注意が必要です。
腫瘍の検査
腫瘍が疑われる場合、状態に応じて以下のような検査を行います。視診・触診・細胞診・組織検査・血液検査・レントゲン検査・超音波検査を通じて、腫瘍の性質や進行状況、全身状態を総合的に評価します。検査結果をもとに、どのような治療・ケアがその子に合っているかを飼主様と一緒に考えていきます。
腫瘍の治療
1.疼痛管理
腫瘍に伴う痛みや不快感は、生活の質に大きく影響します。痛み止めの使用体勢や生活環境への配慮食事内容の工夫などを通じて、できるだけ苦痛を軽減することを重視します。
2.自然療法によるサポート
腫瘍自然療法では、体全体のバランスを整える視点からのケアを行います。体調や年齢に配慮した食事・栄養管理サプリメントの活用のほか、ストレスを減らす生活環境の調整を行います。これらは腫瘍を治すことを目的とするものではなく、治療中や経過観察中の体調管理・生活の質を維持することを目的とした補助的なケアです。
3.高度医療機関との連携
より専門的な検査や治療が必要と判断される場合には、腫瘍科を有する高度医療機関と連携し、治療の選択肢をご提案します。外科・抗がん剤治療の相談や専門医による診断、セカンドオピニオンのご紹介をいたします。
当院では、一つの選択肢に限定せず、その子と飼主様にとって最善の方法を一緒に考えることを大切にしています。腫瘍の診断は、飼主様にとって大きな不安や戸惑いを伴います。「何を選べばよいのか分からない」「治療だけでなく、今後の生活について相談したい」そのようなときは、どうぞお気軽にご相談ください。ふじわら動物病院では、医学的な視点と、その子らしい生活の両方を大切にした診療を心がけています。